福島原発のこれまでとこれから

福島県の双葉郡にある福島原発は、東京電力が管理する原子力発電所で、正式名称を福島第一原子力発電所といいます。
この原子力発電所は1号機から6号機で構成されており、1号機は1967年に着工、1971年に運転開始と古い歴史があります。
長年にわたり日本の電力を支えてきましたが、2011年の東北地方太平洋沖地震の津波の影響により、事故や破損によって廃炉が余儀なくされました。
いずれも停止に至り、その後廃止が決まっていますから、修復して再稼働することはないです。

http://www.acquainc.jp/archives/295

津波の被害をモロに受けた福島原発

余談ですが、実は7号機と8号機の追加が計画されていたものの、当然ながら廃炉の影響で計画も中止となっています。
この発電所の計画は、1956年の原子力三法の施行と1957年の原子力発電計画にまで遡るので、実に半世紀以上の歴史があることになります。
津波の被害をモロに受けた福島原発は、電力を支える役割から東北地方太平洋沖地震の象徴、そして廃炉の対象へと移り変わりました。
被害が特に大きかった4号機は、2014年の時点で燃料プールの燃料が取り出され、移送が完了しています。
2019年には3号機の燃料の取り出しが始まり、2021年の2月に搬出作業の完了済みです。
今後は燃料デブリの取り出しが予定されていて、2023年には1号機と2号機の燃料取り出し、2041年頃に溶融燃料の取り出しを終了する計画です。
福島原発1号機から4号機の廃炉、施設の解体は2051年頃に終了する見込みですが、これは順調に進んだ場合の見込みなので実際にはずれ込む可能性も否定できないです。

福島の風評被害について

このように、少しずつながら燃料の取り出しや廃炉に向けた作業が進んでいるわけですが、福島の風評被害については今も爪あとを残しています。
復興は進んでいますし、かつての景色を取り戻しつつある街も少なくないです。
しかし、汚染水の漏出というショッキングなニュースの影響ははかり知れず、現在も福島は人が住めないと考える人も、世界的には珍しくないのが現状です。
それでも諦めずに、復興に力を注ぐ地元の人達の思いは本物ですし、やがて地道な努力の積み重ねが福島の復興、イメージの回復に繋がるものと考えられます。
福島は元々自然が豊かで資源も多く、観光地としても人気のスポットです。
福島原発の故障によるイメージダウンは完全に東北地方太平洋沖地震によるものですから、自信の記憶が薄れればダウンしたイメージも回復すると思われます。

上空から撮影した写真を見比べれば一目瞭然

以前は防護服に見を包まないと近づくことすらままならない感じでしたが、今では作業着で移動できる範囲が増えています。
震災直後はまさに瓦礫のような部分も多く見られましたが、現在はかなり復興が進んで雰囲気も大きく変わりました。
上空から撮影した写真を見比べれば一目瞭然で、10年の間に見られる変化は人間の底力、生きる活力を感じさせるほどです。
また近づいて見ても建物の真新しさ、整備された敷地は綺麗ですし、10年前に歴史的な地震が発生して津波に襲われたとは思えないです。
とはいえ、廃炉作業は気が遠くなるほどの工程が残っていますし、10年20年では終わらないのが現実です。
放置しても勝手に解決する問題ではなく、将来に残して構わない問題でもないので、1つ1つの進みは遅くてもやるしかないです。

廃炉が進まない理由

廃炉が進まない理由の1つには、内部の把握が難しくて人が入れない場所が多いことが挙げられます。
つまり、福島原発は原子炉の建屋の外と中で状況が異なり、内部はまだまだ安全とは程遠いわけです。
廃炉作業には慎重に慎重を重ねる必要がありますし、逆に放射線のリスクが高まっては本末転倒ですから、時間を掛けて確実な方法を選ぶことが求められます。
環境に対する影響もそうですし、作業員の安全を何よりも守らなくてはいけないので、そこに時間が掛かっているのが今の福島原発です。
取り出した燃料は燃料で安全に処理する必要がありますし、その数は大量なのでこちらも時間を要しますし大変です。
取り出したら保管して処分が決まるまで保存することになりますし、しかも今後発生する恐れのある地震や津波も考えなくてはいけないです。
放射性の燃料保管を受け入れる自治体はなかなかありませんから、今もリスクを承知で福島県内に置いてある形です。

まとめ

発電量が多く、高効率に発電できる原子力発電所はメリットばかりが注目を集めていましたが、東北地方太平洋沖地震の発生により一変しました。
ただ、資源の多くを輸入に頼る日本は、原子力以外の方法に発電所の舵を切ると、電気代の上昇や家計の負担に繋がります。
再生可能エネルギーの研究や普及は進んでいますが、原子力発電に比べると効率面やコストに課題があります。
今後は研究が更に進むことで発電効率が良くなり、原子力発電との左派縮まるものと予想されます。
そうなれば置き換えることができますし、安全に発電できるようになりますが、まだまだ時間は掛かります。
原子力発電所の運用について議論は続けられていますが、しばらくは少数の原子力発電と他の複数の発電方法を組み合わせるのが、リスクと電気代を抑える現実的な方法になるであろうと原発に携わる株式会社アトックスも述べています。

 

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