産業医って一体何?医師とどう違うの?

しっかりとした企業に勤めていると、必ず目にするのが産業医の存在だと思います。
一見普通の医師と同じ印象を持ってしまいますが、クリニックや病院に勤めている医師とは少し役割が違ってくるのです。
会社に出勤すると度々目にする機会があり、一体どんな仕事を行っているのか興味があると言う方の為に、産業医とはどんな役割を担っているのかを詳しく紹介していきます。

 

産業医とは

産業医とは医学に関する専門的な知識を多く持ち合わせている存在であり、その立場から様々な企業や会社で働く労働者の健康管理等を行う医師のことを言います。
つまり会社の専属医師のような立場であり、社員の日々の健康を守っていくと言う意味でも非常に重要な存在であることが分かるでしょう。

企業を立ち上げた限りは数多くの社員を雇う形になりますが、企業側はその健康を一番に考えておくことが重要なのです。
そのため、会社の規模に応じて魅力的で信頼のおける産業医を選任し、労働者の健康管理等を確実に実行していくことが求められているのかもしれません。

こうした存在がいてくれることで私たちは日々安全に過ごすことができると共に、少しでも身体に異常をきたすようなことがあれば直ぐに治療を進めることができるようになるのです。
人によっては健康診断を受けるのが面倒だからと避けてしまう方も多いですが、いついかなる理由で病気を患うかは誰にも分からない為、できる限り注意深く診察を行っておくことは大切な要素なのかもしれません。

 

産業医になるためには

さて、どんな存在なのかは一通り理解できたと思いますが、産業医として活躍するまでにはどんな工程を経ていくのかをじっくりと説明していき、その存在をもっと深く知ることでより身近に感じられるようにしていきたいと考えます。
まず、産業医になるためにはしっかりとした要件が求められることとなり、確実な規定が設けられているのでしっかりと覚えておきましょう。

求められている要件には、しっかりとした医師の免許を持っていることに加え、労働者の健康管理を第一に実行することができるような医学に関する知識を身に付けていることが求められます。
さらに、日本が定めている厚生労働省令の要件を兼ね備えている者でなければならないと決められているのです。
これは労働安全衛生法第13条に該当することで、具体的な要件は多岐にわたっているので紹介します。

最も求められているのが、労働者の健康管理を行う上で絶対に必要な医学に関する知識を持っていること、そしてその研修を確実に行っていて厚生労働大臣の指定する法人が行うものを修了した者だけが認められます。
また、豊富な知識を身に付けられるような養成を行っており、優秀な医学の正規の学習を設置している医科大学などを卒業している者、または厚生労働大臣が指定している当該学習を修めて卒業した者だけが権利を与えられます。

 

優秀な大学へ通って知識を得ることが非常に大切

大学が行っている実習を履修することで大きな成長を得ることができるので、絶対にその道に進みたいと希望しているのであれば優秀な大学へ通って知識を得ることが非常に大切となってくるのです。
そして、労働衛生コンサルタント試験に合格した者だけがその存在を認められることとなり、その試験の区分は保健衛生であることがほとんどと言われています。

さらに、学校教育法による大学で労働衛生に関する科目を担当することができる教授や准教授、または専属の講師の職に就ける実力があり、ある程度の勤続経験があると認められた者だけが資格を得ることができます。
このようにかなりの要件を満たしていないと本当の意味で資格を得ることはできませんが、しっかりと学ぶ機会があり実際に経験できる場を提供してもらえれば、誰でも目指せる職種であることは言うまでもありません。

主な活動場所はあらゆる企業が中心となっていますが、事業主との業務契約をこなしていればどんな場所でも働くことが可能です。
気になる仕事内容については実に様々で、健康がすぐれていなかったり不健康な印象を受ける労働者がいた場合、実際に行われている就業環境の把握や健康全般に対する指導やアドバイスを実行するのが通常業務となります。

時にはメンタルの面でも指導を行う場合がありますし、深い相談を引き受けるケースもごくまれにあるので覚えておきましょう。
就労制限や就労可能かなどの判断を行うのも立派な業務の一つであり、仕事を続けることが困難であると判断できる場合にはしっかりとその理由を説明する必要があります。
一般的な治療などは特に行わないですが、症状などを把握して的確なアドバイスを実行することで多くの原因を解決させることも可能なのです。

 

まとめ

簡単に言ってしまうと医師とは違った専属の医学のプロフェッショナルと言ったところで、日本で多く働く労働者たちの健康を守り抜く陰の立役者と言った存在だと理解しておきましょう。
私たちが健康的なビジネスライフを送れるのも彼らのおかげであると理解し、時には感謝の気持ちを伝えることも必要かもしれません。

 

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